初・中級者は、スパーで上級者の上段回し蹴りが見えず(反応できず)にもらってしまうことが多くありませんか?これは若い人でもそうですが、中高年ならより顕著だと思います。
原因はもちろん経験不足によるものが大きいですが、もう一つ見逃せないのが「動体視力」です。
動体視力は、個人差や年齢差、それにほんのわずかですが男女差もあるといわれています。
動体視力は、15歳〜20歳くらいでピークに達したあと段々と衰えていきます。動体視力が最もいいのは20歳前後で、40代くらいになると小学生レベルになり、さらに65歳以上の高齢者では幼稚園児レベルにまで下がるといわれています。
ただしこの衰え方には大きな個人差があります。
また、トレーニングにより鍛えることもできます。
加齢とともに動体視力が衰えるのは、目の玉をすばやく動かす眼球運動が衰えることが主な原因です。
特にパソコン画面を長時間見るような仕事の人だと、その傾向が強くなります。
そこで、動体視力の衰えを食い止めるには、目の玉をすばやく動かすトレーニングが効果的です。
後述するトレーニングをすると分かりますが、少しやっただけで目の周りの筋肉が疲れるのが分かります。
また涙が出る人もいるでしょう。それらは目の周りの筋肉が衰えている証拠です。
眼はとてもデリケートで疲れやすい器官ですから、トレーニングのやりすぎには注意しましょう。一日せいぜい5〜10分程度、週数回のトレーニングがいいでしょう。
「動体視力」「眼球運動」を鍛えるオススメのトレーニングは以下の3つです。
1,電車の車窓から看板や駅名を見る [動体視力]
走行中の電車の車窓から外の看板や駅名などをはっきり見ようとするのが動体視力のポピュラーなトレーニングです。路線の電柱は等間隔のためタイミングが取りやすく、電柱一本ずつはっきり見るのも効果的です。
2,左右・上下・斜めの親指の爪を交互に注視する [眼球運動]
親指を立て、顔を動かさないで爪の先を交互に眼だけで追います。
ボーッと見るのではなく、はっきり焦点をあわせて見ます。
腕の左右の幅を広げたり、上下、斜めにしたり、見るスピードを上げたりして、色々工夫します。
また、斜めなら上の指は上段回し蹴り、下の指は中段回し蹴りや下段回し蹴りをイメージしながらすることで、空手のイメージトレーニングにもなります。
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左右 |
上下 |
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斜め |
斜め |
3,前後の親指の爪を交互に見る [眼球運動]
遠く、近くと交互にはっきり見るようにすると、深視力のトレーニングにもなります。
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前後 |
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最近では、ゲームソフトでも「動体視力」を鍛えるソフトがありますが、動体視力を高める一方で視力低下の可能性もありますので、「40代からの空手道」では、上記のアナログな方法をおすすめします。
動体視力を鍛え、技をもらわないディフェンス力を高めて頂きたいと思います。 |