40代からの空手道 極真空手の巻
 
 
 
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40代からの空手道 極真空手の巻
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ゴッドハンド 大山倍達 語録・名言集

 ゴッドハンド語録 vol.49

空手なら直接打撃制が一番いい

『防具をつけて叩き合うのが試合としては一番いいのかと思い、一生懸命研究したものです。

剣道の面を使うと顔のところが金具だから、素手じゃ叩けないんですよ。もちろん、足でも蹴れない。だからと言ってグローブをつけて叩くと空手の技は使えなくなってしまう。細かい技術が駄目になっちゃうんだよ。グローブをつけると空手ではなくなるなと思ったんです。

当時はまだキックボクシングなんてなかった時代ですから。1950年代に目白ジムの野口さんがキックボクシングを始めたんだけど、極真はその前に藤平昭雄君や中村忠君がムエタイと戦って、日本でも空手のプロ版としてキックをやろうかと考えたこともあったんだ。プロとしてなら、グローブを使っても問題はないかなと思ってね。でもやはりグローブで戦ったら空手とは全然違ってしまうという点が、どうしても引っかかって、それでやめたということもあったんです。

グローブが駄目なら顔に面をつけようと、面を改良してね、なるべく素手で叩けるようにやってみたらどうかと。だけど一番の問題は、グローブで叩くと脳障害が起きる心配があったんです。私が尊敬していたボクシングのピストン堀口も、結局パンチドランカーになって死んでいったしね。頭がやられるということがどれだけ怖いか、私も実際にいろいろやってみて実感したんだ。本当に怖いことです。当時は時代が時代ですから、グローブで思い切り叩き合っておかしくなった人間をずいぶん見てきた、面をつけて叩いてもおかしくなる。それに面の上から叩くと受けが駄目になるし、叩くほうもメチャクチャになって、空手ではなくなってしまう。

それでいくつか試した末に、最後には空手の原点に帰って、素手素足で戦うという方式が一番いいと私は思った。道場では顔を叩いていた。だけど、無制限に叩かせていただけではないよ。手拭を巻いたりして、力をコントロールして叩かせていた。そうじゃないと、グローブのような脳障害は心配なくても、歯を折ったり鼻を骨折したり、それはそれで大変だった。だから、試合では顔を叩かせないほうがいいだろうという結論になった。稽古では顔を叩くが、試合では顔を叩かなくても空手の本義を外れることはない。

その他の部分はどうしたらいいだろうかと、次に考えた。胴には薄い防具をつけたらどうか。私自身が弟子と一緒に実験台になって試してみた。結局、それは必要ないということになった。これまでの稽古のなかで、深刻な事故は起きていなかったからね。それに防具をつけると、受けが甘くなる。スポーツになってしまってはいけないという理由で、試合ルールは無防具、直接打撃制でやるということになったわけだ。だから、最初から何も考えないでこのルールを作ったわけではないよ。道場のなかでね、少ない数でやる分にはルールなんて必要なかった。顔でもなんでも叩いてね。先輩と後輩がそれなりの技量のなかで、力を配分して戦っていた。

しかし、試合は多くの人が見るものです。そして、多くの選手が戦うものです。だから、はっきりと勝負がつくことに越したことはないけれど、華麗で力強い組手ができて、それでいて再起不能になるような事故にはなりにくい方法をね、試行錯誤した結果、今のようなルールになったんです。だから、私は空手ならばこのルールが一番いいと断言しているんですよ』



 

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