40代からの空手道 極真空手の巻 40代からの空手道 〜極真空手の巻〜 キョクシンカラテ  
 
ゴッドハンド(大山倍達)高弟の技術論


 試し割り 技術論

まず力任せでは絶対に割れないということを心に留めるべきです。
コツは幾つかあるんですが、スピード、正確性、タイミング、体重の乗せ方、それらすべてが揃っていないと失敗に終わる可能性が高い。
そしてそれらを高次元に保つには、普段の基本稽古がものを言います。

当たった瞬間にいかに体重を乗せられるかで成否は決まる。
そのためには標的をやや手前に寄せて、両足の付け根のほぼ真下に持っていること。
そして拳を斜めに叩き付けるのではなく、”まっすぐに落とす”くらいの感覚で叩き付ける。
正拳の場合、インパクトの直前に内側にひねりを加えるのは中段突きの要領と同じです。
あとは正確性。
煉瓦は氷と違ってマトが小さいので、ちょっとでもセンターから外れたら割れない。
ピンポイントで”針の頭を叩く”が如き正確性が求められます。
全体のバランスも大切で、手と腰がバラバラだといくら力があってもダメ。
姿勢の問題とも共通しますが、基本中の基本は脇を締めること。
そして一番、体重が乗りやすく腰も入ります。
他に経験の中で覚えたこととして、瓦の場合、10枚積んだら上の5枚は無視して6枚目から本物の試し割りが始まると思え、というのがあります。
要するに、力を貫通させよ、振り切れ、という意味ですが、上の5枚を(意識から)外せと言われても最初からうまくは行かない。
この辺りは慣れの問題です。
タイミング?これは本番で恥をかかないとダメかなぁ(笑)
自分で高さや距離との兼ね合いを覚えないと。

郷田勇三師範





山口支部の河岡博實師範のもとで内弟子をしていたときに、よく演武会で試し割りをやりましたが、師範から教えていただいたのは、拳を物に直角に当てろというのと、フォームは基本稽古をやっていれば大丈夫というこの2つで、あと大切なことはスピードとタイミングです。
威力を出すためには、当てる瞬間にパワーを爆発させなければならない。
これは稽古の中で意識しながら自分でコツを掴んでいくしかないんです。
そういう意味では、組手と共通する部分があるかもしれませんね。

(パワーは)当然あった方がいいですし、空手をやっている以上、部位鍛錬ができていて当たり前、体が鍛えてあって当たり前で、その次に試し割りのためのスピードとタイミングという話になってきます。

まずは、基本稽古でぶれないフォームと技の切れを作ること。
体作りと部位鍛錬はしっかり行うこと。
集中力を持って、一番下の板までパワーが抜けるイメージを持って臨むこと。
あとは、ケガのないように少しずつ挑戦していって下さい。

阿部清文師範(3年連続「試し割り賞」を受賞、31枚の世界記録保持者)





試割りのポイントは、@素材に対する位置、A打ち込む方向、B重心ののせ方です。
そして、破壊力は、”鍛えられた拳”と”パワー”と”スピード”によって生まれます。
なかでもスピードは重要で、いくらパワーがあってもスピード不足では、打つというより押すだけになってしまい、破壊することはできません。

山崎照朝師範





試し割りの意義の第一は、恐いものに挑戦する心を養うということだ。
そのためにも、人のやった試し割りではなく、誰も挑戦したことのないものを割るのが試し割りの本道だと思う。
自分は、常に新しい素材に対して、人間の力で割れるものかどうか挑んでいますよ。
でも、試し割りと言っても空手の技に関係あるものとそうでないものがある。
手刀は体重のある人間なら大抵割れるが、正拳となるとそうはいかない。
まず、拳頭を鍛えないとできませんからね。
とくに、空中の物や、つるした物は、拳の固さプラス、パワーとスピードがないと割れない。
若い人は、試合に出て力を試せるけど、歳をとるとそうはいかない。
試し割りを行い、いざとなったらこういう力が出せるということを弟子や自分自身に見せる必要がある。
そのためにも歳をとってもスピードとパワーを持続させとかなければならない。
最終的には組手が目的ですから、技をさびつかせぬように、常に修練の成果を確認するという意味が大きいでしょうね。

南里宏師範(吊るしブロック割りが有名な試し割りの第一人者)


※以下は南里師範の言葉をもとにした記事です。
「南里氏ならではの試し割りのコツを聞くと、正拳でブロックやレンガなどの固いものを割るときは、横拳より縦拳で行った方が良いそうだ。
腰から思い切り正拳を振り出し、スピードを乗せることがしやすいからだ。
ただし、板割りなどのときは、目に沿って、ときには横拳で突いた方が良い。
また、宙ずりブロック割りなどのときは、少し上からたたきおろす感じが良いそうだ」





※参考書籍 

ワールド空手、フルコンタクトAKRATE




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