当サイト内で繰り返し書かせて頂いていますが、元々私は体がとても硬く、前屈では手の指が足につくどころか、体が90度から曲がらないほどでしたし、、開脚では上体が10度くらいしか前に倒せませんでした。
それが、40代になってからストレッチを少しづつ努力した結果、今では開脚で胸が床にぴったり付くまでに柔らかくなっています。
そこで体を柔らかくするためのストレッチのテクニックについて述べさせて頂きます。
まず初めに、ストレッチや体の柔軟性について間違った認識、知識について見ていきます。
世間では間違った知識を持った方が大勢いますので、今一度確認して頂きたいと思います。
●ストレッチは強くやればやるほど体は柔らかくなる
これは×です。
大相撲の力士が入門するとかなり強引に「股割り」をさせられます。
テレビなどでその映像を観たことがある方も多いでしょう。
しかし、実は強引に力づくでストレッチするのは逆効果なのです。
痛みを感じるように強くストレッチすると、交感神経や運動神経が興奮し、筋肉が緊張します。
すると筋肉は伸びにくくなるのです。
筋肉を効率よく伸ばすためには、筋肉が脱力している、つまりリラックスしている状態が適しています。
ですから、痛いのを無理やりストレッチするのは逆効果になりますから、筋肉から力が抜けている状態で少しづつやっていくことが望ましいのです。
最悪の場合、筋肉が切れたり、肉離れや靭帯や関節を痛めて取り返しがつかないことにもなりかねませんので、十分に注意が必要です。
●ストレッチは風呂上りにやるのが一番効果がある
これは○であり状況によっては×にもなります。
筋肉は気温や体温が低いと緊張・収縮してしまいますので、ストレッチには不向きです。
逆に体温が高いと、筋肉の緊張が取れ、さらに筋線維に含まれるコラーゲンが柔らかくなるので、弱い力でも伸びやすくなるのです。
そういう意味で、体温が上昇している風呂上がりにやると筋肉が伸びやすいので効果的です。
ただ注意しなければいけないのが、体温が上昇していると弱い力でも伸びるため、ついやり過ぎてしまうことです。
実際私はこれでやり過ぎて筋を伸ばしてしまい、満足なストレッチができない期間が数ヶ月続きました。
風呂上りなど、体温が上昇しているときにストレッチをやるなら、決して無理に伸ばすことはしないようにしましょう。
風呂上り以外なら、体温が高い日中が向いており、体温が低い早朝は避けたほうがいいです。
●反動を使ったストレッチはよくない
これはある部分×ある部分○です。
ストレッチは大きく分けると、反動をつけずに同じ状態を一定時間キープする「静的ストレッチ」と、反動を使って行う「動的ストレッチ」の2つがあります。
極真空手の道場稽古の準備体操で行われるのは「動的ストレッチ」ですが、「動的ストレッチ」でも「静的ストレッチ」でも、ストレッチをすると「伸張反射」が起こり、筋肉は反射的に縮もうとします。
問題なのは過度に反動をつけてやることで、とかく過度にやり過ぎてしまう傾向にあるということです。
適度な強さであれば問題なのですが、その加減が難しいので、じわじわとゆっくり時間をかけてできる「静的ストレッチ」が重宝されるようです。
ですが別項で詳しく述べますが、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」は効果・用途に違いがあるのです。
ですから、その用途によって使い分けるようにするといいでしょう。
●ストレッチをすると痩せられる
これは×です。
ストレッチに脂肪燃焼効果はありませんし、筋肉量が増えるわけでもありませんので、基礎代謝を上げるまでの効果はありません。
ストレッチのエネルギー消費量は安静時の20%程度増えるだけで、筋トレや有酸素運動とは大差があり、せいぜい散歩程度しかありません。
ですから、ストレッチで痩せる、ダイエットするという効果はほとんどないということです。
●自分は生まれつき体が硬いので柔らかくならない
これは×です。
何故なら、体が硬い赤ちゃんはいないからです。
子供の頃は誰でも柔軟性に富んだ体をしています。
それが成長するにつれ、生活環境の影響や食事、運動の有無などによって、体の柔軟性に差が生じてくるのです。
つまり体の柔軟性は先天的なものではなく、後天的な要素によって変わってくるということです。
遺伝的な要素として、男女によって差はあります。
平均して女性のほうが柔軟性は高いです。
●筋トレをすると体が硬くなる
これは×です。
この話は今や都市伝説のように喧伝されていますが、まったくの誤解・間違いです。
筋トレをして筋肉が増えてもそれによって柔軟性が損なわれることはありません。
もし筋肉が増えて柔軟性が低下するなら、体操選手はどう説明すればいいのでしょうか?
ただし、例外的にボディビルダーのように筋肉を過剰につけた場合は、柔軟性が損なわれるケースはありますが、それも筋肉の柔軟性が低下するというより、大き過ぎる筋肉と筋肉がぶつかり動かしづらくなるということになるからです。
筋トレ・ウエイトトレーニングで体が硬くなるというのはイメージであって、事実ではありません。
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