『木村政彦は、動く時に、数学的に動くのよ。
〜中略〜
柔道においては天才だよ。
数学で、そうすると相手の力に入れるバランスが違うわけですよ。
右押すと、左へ。
右押して、左引っ張るとね、相手がね、あー、引っ張られると左、左をね、余計にね、こう力を入れる瞬間に肩を入れるわけですよ。この力の強弱のね、掴み方、力の強弱の掴み方がすなわち、心眼だよと言うのよ。
そして相手が、左、自分が右行く、右へ寄る、そしたら、相手が左へ行くわけですよ、左へ行って右へ寄ろうとする時に、回転しながら相手を押すと。
これができないと君たちね、チャンピオンになれんよ、それはね、心眼だよ、頭の相違だよと。
相手を見抜く力がなくちゃいけない』
大山倍達(「武道論」より)
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