『よく人から言われることがある。
「総裁はもう70歳なんだから、稽古を教えるのはほかの人にまかせたらどうか」と。
私は答える。
「いや、私からカラテを取ったら何が残りますか。
私は半世紀以上カラテを修業してきてカラテ以外、何もないんです。
これからも死ぬまでカラテの現役でいたいんです。
もし、でき得るならば、畳の上ではなく、道場で稽古中に立木が朽ちるように果てたいと思っています。
それが私の願望です」
これは本音である。
私は、物心ついた時からカラテをはじめ、古稀を迎えた現在まで、ひたすらカラテで生きてきた。
死ぬまで道着を離したくないし、道場での稽古をやめたくない。
そう思っている。
生涯修業
世間の人がなんとみるかは知らない。
しかし、武道を志した者として、最後の最後まで道を全うしたいと考えている。
70歳を迎えてこの思いがますます強くなる今日このごろである』
(大山倍達総裁追悼写真集 マス大山語録より) |