空手に限らず何事も長くやっていると人から意見、アドバイスをされることが少なくなっていきます。
まして武道で黒帯になると師範などの指導者以外から、技術的なアドバイスをされることはほとんどなくなります。
しかしながら技術的向上という点からは、これは実にもったいないことです。
プロスポーツの世界では、必ず技術的なアドバイスをするコーチが存在し、世界一の選手であっても、常にコーチから技術的なアドバイスを受け、技術を向上させたり、ちょっとしたズレなどを微調整しながらプレーをしています。
私自身のことですが、師範などの指導者からは日頃の道場稽古で色々とアドバイスをされますが、それ以外のある黒帯の先輩から、今年になって道場稽古が終わった直後にあるアドバイスをされました。
それは、組手の際の私の欠点というか改善点で、それを言われたときは、私は頑固なところもありますし、その指摘されたことに1%の自覚もないことだったので、口では『押忍、ありがとうございます』と言ったものの、あまり重要視していませんでした。
しかし、その約1カ月後、他の黒帯の先輩から全く同じ指摘をされたのです。
それではっきりと自分の欠点を受け入れることができました。
普段の道場稽古を基本から組手まで全て動画撮影し、それを観ることができるなら、自分の欠点や癖を確認できるでしょうが、そんな道場はありませんし、基本や移動稽古は鏡がある道場ならある程度チェックできますが、組手となると組手しながら鏡をチェックすることは不可能ですから、自分自身では自分がどういう動きをしているのか、なかなか自覚できるものではありません。
そして、長くやっていればいるほど気づかぬうちに癖が染みついてしまうものです。
そこで大切なのが、第三者の客観的に目です。
実際、今年になって2人の先輩に指摘された内容は、約10年間極真空手をやってきて初めて人から指摘された事柄でした。
私は2人の先輩から指摘されたことについて、それ以後その欠点を改善するように基本の段階から常に意識して取り組んでいます。
この欠点を改善することができたら、私の組手は確実に1ランクアップするでしょう。
同じ道場生同士で技術的なことを指摘をし合うということは普通はありませんので、今ご紹介した先輩からのアドバイスはとてもありがたいことだと思っています。
お勧めなのは、道場稽古が終わった後に組手のときの感想などを話しかけることです。
すると、相手から自分の動きなどについて言葉をもらうことができることがあります。
そして、実際に言葉をもらったら、それを真摯に受けとめ、自分自身を顧みるといいでしょう。
自分で気づかない癖や欠点を思いがけず教えてもらえることがあります。
素直さは何事によらず進歩向上の重要な要素だと思います。
|