極真会館第15回全日本大会準決勝 三瓶啓二VS大西靖人
私が極真空手の全日本大会を観始めたのが14回大会です。
そのときの優勝者は三瓶師範。
12・13・14回大会と全日本三連覇という偉業を成し遂げました。
その翌年の15回大会。
私はまた三瓶師範が優勝すると思っていました。
ですから、準決勝の大西氏との一戦も、無名の大西氏相手なら、完勝するだろうと思っていました。ところがそこで繰り広げられた試合は、異質なものでした。
それにしても、昔の試合と今の試合では、判定基準がかなり違いますね。
今なら、三瓶師範に旗が上がるのではないでしょうか。
結果は横に置くとして、大袈裟ではなく、それまでの極真空手の技術体系を覆す、それは正に技術革新でした。
その先達者が城西支部の大西靖人氏だったのです。
山田雅稔師範率いる城西支部の徹底した受け返しとパワー・トレーニング。
さらにそれまではローキックというと、前足への蹴りが主体でしたが、一歩踏み込んで体重が乗った奥足へのローキックを主体にすることで、次々と強豪を打ち倒すようになったのです。
▲大西靖人氏の奥足へのローキック
そして翌年の16回大会、奥足へのローキックをさらにパワーアップさせセンセーショナルな登場を果たし、初出場初優勝の偉業を成し遂げたのが、”格闘機械”と異名をとった黒澤浩樹師範です。
そういう意味で、15回大会の大西氏の優勝は、極真空手に新たな扉を開くことなった括目すべき大会だったと思います。
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