私の趣味は読書です。
武道家、格闘家の技術書は勿論のこと、自伝の類まで幅広く読みますので、名言といえるような言葉と数多く出合ってきました。
その中で最も好きな言葉が、合気道の塩田剛三先生の言葉です。
「合気道で一番強い技、それは自分を殺しに来た相手と友だちになることさ」
この塩田先生の言葉を勝手に改良して自分の座右の一つにしています。
「武道の極意とは、自分を殺しに来た相手と笑顔一つで友だちになることである」
塩田先生は身長155p、体重45kgの小柄な体格ながら武道の達人と賞され、その逸話、エピソードは事欠きません。
有名なのが、1962年ケネディ大統領の弟のロバート・ケネディが来日し、塩田先生の道場を訪れた際のエピソード。
ロバート・ケネディは、塩田先生の演武を見てもその強さが信じられず、自分のボディガードに手合わせをさせました。
その結果、195cm、100kgのボディガードは、塩田先生に一瞬にしてねじ伏せられてしまったのです。その時の模様が↓で観られます。
「自分を殺しに来た相手と友だちになる」とはどういうことでしょうか?
この言葉を体現した逸話があります。
時は明治前夜。
平成22年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の主人公・坂本龍馬と勝海舟の初対面です。
当時攘夷論者だった龍馬は、開国を推し進める勝を屋敷に訪ね、その真意を問い正そうとしました。話次第では斬る覚悟を胸に秘めて。
ところが、勝の話を聞くうちに龍馬は勝海舟が「日本第一の人物」であると直感し、その場で弟子入りしてしまったのです。
勝は自分を斬りにきた龍馬を自分の味方にしてしまった。
これこそが、塩田先生の言われた極意を体現した実話といえるでしょう。
”無敵”とは、敵を片っ端からなぎ倒していくことではないのです。
孫子の兵法の極意は「戦わずして勝つ」
武道の極意とは如何に。
つづく |