40代からの空手道 極真空手の巻 40代からの空手道 〜極真空手の巻〜 キョクシンカラテ  
 
 サウスポー講座 vol.4 空手におけるサウスポー


●森善十朗 左利きサウスポー

相手の技は当たらないけれど、自分の技は当たる距離を持てる

『まず感覚的に「やりにくい」というのがあると思います。
サウスポーの僕自身が「サウスポーはやりにくい」と感じますから。
やはり相手の構える向き、間合いなど、普通の右構えとは異なることが重ね合うからなんでしょうね。
以前、山田雅稔師範に「相手に直角に当てやすい左の突きを上手く使え」とアドバイスをいただいたんですが、サウスポーは左手が引き手(構えたときに後ろにある手)のため、強い突きが出せるのでそれも有利だと思います。
これはもちろん蹴りにも言えることで、左の中段廻し蹴りを蹴れば、やはり相手に直角に当てることができます』

『僕は、構えたときに相手の技は当たらないけど、自分の技は当たるという距離を持っているんです。
それを言い換えると、相手には遠いけど、自分には遠くないということになるのかも知れませんが、これは相手が大きくても小さくても同じなんです。
これはサウスポーだからできるのかもしれませんね。
慣れの問題もあるんでしょうけれど、オーソドックスで構えたときは、同じような距離は作れませんから』


●高尾正紀 右利きサウスポー

自分の適性を稽古で見極めて、状況で臨機応変に使い分ける

『構えに限ったことではありませんが、一番大事なことは自分の身体の特性を自分が一番理解すること。ただし、自分が右利きで右の構えに適性があると思っていても、実は左の技の方が強烈な場合もある。
色々な可能性があるのですから、稽古の際にあらゆる可能性を試して、試合の中では状況に応じて、技を出せることが必要だと思います』


●石井豊 右利きサウスポー

相手に気づかれずに、自分の技を効果的に入れる位置に立つことができる

『お互い構えると、前の手が同じ側になるでしょう。
オーソドックスの人は左から技を始動する傾向が強いんですね。
左から右にワンツーと、けれど、左から技を出したくても、相手の手がすぐそこにあるので、きっかけがつかめない。
逆にサウスポーはいきなり後ろにある左手から攻撃できる。
あとは、サウスポーは間合いがやや遠くなるだけでなく、相手に位置関係を読まれにくいので、技が効果的に入りやすい位置に立つことができるという利点があります』


●市村直樹 左利きサウスポー

サウスポーにとって大事なのは、右の技の重要性を知ること

『単純に考えれば右手右足が相手に近い所にあるので、当てやすいといった面はありますよね。
ただ、オーソドックスの選手にしてもサウスポー相手は立ち位置が対照になりますし、引き手引き足から強い技をこちらももらうことになります。
とはいえ、対オーソドックスには慣れているという部分でこっちが有利な面があるかもしれませんが』


●高久昌義 右利きサウスポー

前に置いた右足の位置によって、自分が有利な角度で戦うことができる

『攻防における大まかな利点といえば、まずオーソドックスの選手はサウスポーの選手と戦い慣れていないということが挙げられます。
加えて、サウスポーがオーソドックスの選手とやる場合、相手の中心を取ったり外したりすることが容易だと戦っていて実感するんです。
総じて、サウスポーは自分が有利な角度で戦えていると思います』


●橋爪秀彦 右利きサウスポー

サウスポーの独自性を有利性につなげる努力

『サウスポー本位でモノを考えると、相手がオーソドックスに構えた場合、自分の左半身から居ての右半身までの距離が倍になりますよね。
いってみれば相撲の”ケンカ四つ”と同じで、互いに牽制し合う形になる。ただ、サウスポーの人間はそういう状態になれている。
普段から右構えの人間を相手に稽古する機会が多いから。
ところが右構えの人は、サウスポーの人と対戦するのはレアケースで慣れていないので、微妙に間合いが取りにくいという有利・不利はあると思います』

『ボクシングでもサウスポーの選手のマッチメイクは大変だということを聞いたことがあります。
野球でも、右打者vs右投手だと何も言われないのに、左打者に左投手とぶつけると昔から煙たがられるでしょう。
”そうなんだ、サウスポーって別なんだ”という感覚を突き詰めていくと、左だけの独自性が見えてくる。
もしかしたらそれはサッカーでも柔道でも共通するのかもしれない。
空手の中のサウスポー。
自分としてはその独自性を有利性につなげられるような組手を模索してきたつもりです』


●成嶋竜 左利きオーソドックス

右の攻撃はすべて左のための伏線

『基本的には左右両方稽古しましたが、右構えの人が多いので左の攻撃のほうが相手を捕らえやすいということで、左を重点的に使えるように(父から)指導を受けました。
右の攻撃はすべて左のための伏線』

『絶対数が多い右構えの相手に対して、左の攻撃はすごく有効。
左を研究することで倒す組手の幅が広がる』



>>>サウスポー講座 vol.1 スポーツにおけるサウスポー

>>>サウスポー講座 vol.2 サウスポー空手家動画集

>>>サウスポー講座 vol.3 格闘技におけるサウスポー(ボクシング)

>>>サウスポー講座 vol.4 空手におけるサウスポー


※参考書籍 ワールド空手 2006/9(特集/世界を制す左のテーゼ) 他



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