『今、日本のカラテはどうなっているか。叩き比べ、根性比べの大会だ。お前も叩け、オレも叩く、どちらが我慢できるか、という試合だ。これはカラテではない。キックだ。君たちはキックの練習にきたわけではないだろう。万一そうならカラテの道場へ来なくていい。キックの道場へ行け。サンドバッグ叩いて蹴って、グローブはめて殴り合いやって倒れなかったら頭突きやって・・・。
キックの道場とカラテの道場の違うところは、カラテは、まず精神を鍛える。そして、カラテは華麗でなくてはいけない。地に則った基本、理にかなった型、華麗な組手、これがカラテだ。カラテの命は組手である。組手は華麗でなくてはいけない。相手の突き、蹴りは全部受け流す、自分の突き、蹴りは間違いなく標的に当てる。これが華麗なる組手であり、カラテの命だ。カラテは君子の武道である。それゆえ、きれいに華麗に勝たなければいけない』
大山倍達(1987年1月4日 本部冬季合宿 講話より)
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