『相手が大きくても、諸君次第でどうにでもなるものだ。
カナダのムースという動物がいるが、これは鹿を大きくしたような動物で、大きいのでだいたい1tから2tぐらいはある。
これをピューマという小さい動物、これは60sか70sしか体重がない。
この2頭がケンカをすると、間違いなくピューマのほうがムースを殺してしまう。
なぜか。
力はムースが上でも、スピードとテクニック(?)の点でピューマが遥かにムースを凌いでいるからだ。
人間、カラテもこれと同じだと思えばよい。
全日本で、80sしかないアデミールが120sも130sもある中村敗った。
これも、そういったところに問題があったように、私は思う。
アデミールが4、5回蹴っている間に、足を出している間に、中村はたったの1回しか蹴ることができない。
アデミールにはスピードがあったし、蹴りもうまかったし、何よりも相手の攻撃を捌くことがうまかった。』
(1983年1月4日 極真会館総本部冬季合宿講話より) |