『試合に出るからには、やはり勝たなくちゃならない。
相手を倒さなくてはならない。
それにはケンカ慣れしておくことが大切である。
ケンカ慣れとは、つまり、稽古量のことだ。
稽古量を人の5倍も6倍も積むことによって、舞台度胸がついてくるし、間合いの計り方もうまくなってくる。
スピードやパワーも自然に備わってくる。
表現はよくないが、選手権大会というのは、いわば規則に則ったひとつのケンカです。
ケンカでは先に相手をやらなければ、もたもたしているうちにこっちがやられてしまう。
大会では、相手をのばしてしまっても誰も文句をいう人はいない。
どういうふうに突こうと、どんなふうに蹴ろうと、そんなことは一切関係ないんです。
決められたルールを守ったら。
ケンカなんだから・・・
まあ、それだけの根性、ガッツの精神を持って試合に臨んでもらいたいということなのだが、相手がタンカで運ばれていく数が多ければ多いほどヒーローになっていくというのが、この世界の面白いところである。
”○○キラー”「あいつは殺し屋だ」というような渾名をつけられるだけの強い選手が出てきてもらいたいと、私は思う。
それには、1日で最低6時間の稽古量が必要です。
それと同時に、カラテに必要な基礎体力、カラテ向きの筋肉づくりをすること。
そして、ただ漠然と手足を動かすというのではなく、いかにして相手を倒すことができるか、最も有効に技を使うにはどうしたらいいかを自分で工夫して、研究して、稽古をしていくということが大事である。』
(1983年1月4日 極真会館冬季合宿館長講話より) |