40代からの空手道 極真空手の巻 40代からの空手道 〜極真空手の巻〜 キョクシンカラテ  
 
 目を瞑るクセを直そう


2017年7月14日

フルコンタクト空手は、顔面への手技は認められていません(例外の団体はあります)。
しかし、足技はOK。

体を上下に分けると、下半身への攻撃をもらうときに目を瞑る人はいませんが、上半身、特に首から上に足技がくると反射的に目を瞑ってしまう人がいます。
というより、初級者の頃はほとんどが目を瞑ってしまうでしょう。
それはある意味自然は防御反応、本能とも言えることなので当然のことではありますが、空手という武術、競技面から言うと、相手の技に対して目を瞑ってしまうのはデメリットばかりなので、そのクセがある場合は意識的に矯正する必要があります。

単純に防御だけを考えるなら、顔面特に目を守るために目を瞑るというのは理にかなっている面もありますが、目以外の部分を防御するためには明らかにデメリットしかありません。
何故なら、目を瞑ると相手の攻撃がどこにどのようにくるか分からないので、的確な防御ができなくなるからです。
また、相手の攻撃に対して目を瞑ってしまうと、当然合わせ技はできません。
相手がどこにどういう体勢でいるのか分かりませんから、次の自分の攻撃も遅れることになります。

例えば上段回し蹴りの場合、ノーマルなら極端な話目を瞑っても腕を上げてガードすれば頭部・顔面は防御できますが、必ずしもノーマルにくるとは限らず、もし変則的な上段回し蹴りだった場合は、タイミングや軌道が違うためにもろにもらってしまうことになりかねません。
しかし、しっかりと目を開けて相手の技を見ていれば、ノーマルなのか変則なのか分かりますので、的確に防御することができます。

初級者の頃はどうしても恐怖心が先に出るので、目を瞑ってしまうのは仕方がありません。
誰もが目を瞑ってしまいます。
しかし、中級者、そして上級者になったら、目を瞑ってしまうクセは直さないと戦えなくなります。

恥ずかしながら私も目を瞑ってしまうクセがかなり長くありました。
そのため、もらわなくてもいい技をもらってしまうことが多々ありました。
これはクセですから、何もしなければそのままです。
自分で意識的に矯正するしかありません。

では、目を瞑ってしまうクセを直す方法はあるのでしょうか?
私の経験上、自分一人で矯正するなら方法は一つ、誰か協力してくれるパートナーがいるなら幾つかの方法があると思います。

私の場合は、自分一人で矯正しました。
特別な特効薬のような方法はなく、とにかくスパーリングの時に『絶対に目を瞑らない』と強く心に決めて相手の技を凝視するようにしました。
ただこれだけです。
というより、これしかないでしょう。
慣れるということです。

スパーリングのときに次のような体験をしたことがあります。
相手は長身で足が長い黒帯で、開始して間もないときに踵落としがきました。
その瞬間私は目を瞑ってしまい、顔面に技をもらってしまったのです。
ただ幸いなことにたまたま当たりが浅くそれほどダメージはなかったのですが、スパーリング中に『ああ目を瞑ってしまった』と強く反省しそのままスパーリングが続きました。
1分間のスパーリングでしたが、後半再び踵落としがきました。
そのときは『またきた!』とはっきりと自覚することができ、目を瞑ることなくしっかりと相手の動きが見えましたので、スウェーバックしてかわすことができました。
1分間の中で、目を瞑ってしまったときは技をもらい、目を瞑らなかったときは技を見切ることができたわけです。

顔面への手技がメインであるボクシングの場合、目を瞑ってしまうのは致命的なので、必ず矯正するらしいのですが、ある有名なボクサーは、シャワーを顔に当て目を瞑らない訓練をしたそうです。
この方法を私はしたことがありませんが、効果があるかもしれません。
一人でできるのも良い点です。


誰か協力してくれるパートナーがいる場合は、実際に上半身へ技を出してもらい、目を瞑らずに技をしっかりと見る練習をするといいと思います。

目を瞑る、目を瞑らない、フルコンタクト空手においてどちらが危険なのかを考えましょう。
目を瞑らずに相手の技・動きを見るほうがより危険を回避することができるということを知り、目を瞑るクセがある方は、意識的に直すようにしましょう。



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