40代からの空手道 極真空手の巻
 
 
 


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   血尿が出て一人前?

2015年10月30日

壮年フルコン空手家の皆さんは、空手の稽古後に血尿が出たことはありますか?

私は10年近く極真空手をしていますが、一度だけあります。
2年ほど前のことです。
いつものように道場稽古に出て、帰宅後すぐにトイレで小便をしたときです。
便器が赤く染まり、心底驚きました。
松田優作さんじゃないですが『なんじゃこりゃ!』と思わず言葉が出ました。
血尿です。
初めてのことだったので、本当に驚きました。

その日の道場稽古は、いつもと同じメニューでした。
ただスパーリングがガチだったので、良い前蹴りと下段回し蹴りを何発かもらいました。
特に下段回し蹴りのダメージが残り、脚に痛みと腫れが結構ありました。
ですがそんなことはいつものことです。
過去には、脚が5p位腫れあがったこともあれば、1週間以上脚を引きずるようになったことなど何度もありますので、この時はそれほど大きなダメージではありませんでしたので余計に驚きました。

初めて血尿が出て、2時間後にもう一度トイレに行って小便をするとまた血尿。
1回目よりは多少色が薄くなっていましたが、それでも血尿でした。
その2時間後にも恐る恐るトイレに行き用をたすとまた色は薄くなっていたものの血尿でした。
翌日の朝もまた血尿、ただその次に行ったときにはほぼ普通に戻っていたので安心したら、次はまた薄い血尿になっていて、この状態が数日続いたのです。

そこで血尿について調べると、血尿にも種類があることが分かりました。
空手の稽古後に出る血尿は、一般的に「スポーツ血尿」と呼ばれるもので、「ヘモグロビン尿」「ミオグロビン尿」と呼ばれる血尿です。

「ヘモグロビン尿」とは、「行軍ヘモグロビン血症」ともいい、激しい運動をすると血管内で赤血球が潰されて、赤血球の中身のヘモグロビンが血液中に放出されて血尿となったものです。
「ミオグロビン尿」とは、激しい運動をすると筋肉が壊れ、筋肉中にあったミオグロビンが血液中へと流れ出します。そのミオグロビンが腎臓を通過し、尿中へと排出されてしまったものです。

これらの血尿は、色は鮮やかな赤色ではなく、赤茶色、赤紫色なのが特徴です。
私の場合の血尿も、赤ワイン色をしていましたので、「スポーツ血尿」ということが分かりました。

一方で、鮮やかな赤色の血尿の場合は、何かしらの病気の可能性があるようなので、空手の稽古後の血尿とは異なります。


血尿に関して、極真空手の偉大な師範達の言葉をご紹介します。


血尿は序の口

ある日、いつものように砂袋を蹴り終わってから休んでいた。
正月も過ぎ、2月の寒い頃だったので窓際に行き、陽の光で暖をとっていたのである。
ところが急に腹が痛くなった。
何というか、尿意と便意を同時に催したような複雑な痛さである。
私はすぐにトイレに走り、小便をしたが自分の尿を見てびっくりした。
どす黒い血尿である。
こんなことは生まれて初めてでもあり、場所が場所だけに驚き、すぐに病院にすっ飛んで行くことにした。
〜中略〜
思い切って先生(※中村日出男氏)に相談した。
すると先生はいとも平然と、「そんなことはまだ序の口だ。もっと砂袋を突き、蹴るようになると耳からも、口からも、挙句には目の涙に混って血が出てくるようになる」と言われた。

「空手とは何か」 盧山初雄


血尿が出て一人前

5月頃からは、稽古に対して、より病的に取り組むようになった。
稽古時間も1日8時間は越えていたと思う。
加えて血尿が出ないと納得できないようになっていた。
砂袋を蹴り続ける。
あまりにやり過ぎると毛細血管がいくつも切れる。
すると血尿が出る。
以前ある先輩が言った。
「血尿が出るまで砂袋を蹴って一人前なんだよ」

「極真魂」 黒澤浩樹


部位鍛錬

砂袋を蹴ると、血尿が出る。
初めて見た時は、たまらなくうれしかった。
「出た!これが血尿か」
紅茶のような色をした小便がチロチロと出る。
これは実際には血ではないらしい。
筋肉が破壊された時に出る物質が腎臓にたまって、老廃物として尿道から排出されるのだ。
慣れてくると、血尿も出にくくなる。
そんな時、私は「やり込みが足りないんだな」と思った。
血尿が出るまで蹴り続けた、
稽古量を測定する一種のバロメーターだった。
血尿が出ると、「今日はよくやったな」という楽しい気分で家に帰ることができた。
血尿が出るのは、本当は危険なことらしい。
だが、医学的な発想だけでは、超えられない壁があると信じていた。
昔の極真には「超人追求」というテーマがあった。

「もののふの血」 数見肇


上記の3人の師範には共通点があります。
いずれも極真空手の全日本王者。
やはり極真の頂点に立つために人一倍の激しい稽古をしていたのでしょう。
そして、もう一つの共通点は「下段回し蹴り」が得意技だったということです。
そのために、人一倍砂袋でスネを強化していたため、血尿が日常茶飯事のようになっていたようです。

空手の稽古後に血尿が出た場合は、その尿の色に注目しましょう。
赤ワインのような色だった場合は、「ヘモグロビン尿」「ミオグロビン尿」ですから、それほど心配はないと思いますが、心配な方は病院に行ったらいいと思います。
ちなみに私は鈍感な性格なので、血尿が出たといっても「ヘモグロビン尿」「ミオグロビン尿」だと自分で判断し、病院には行っていませんし、あれから2年ほど経ちますが健康です。

上記3師範は自らの意思で鍛錬した結果の血尿、私の場合は組手でダメージを負った結果の血尿と意味合いは全く違いますが、今となっては道場稽古後に血尿が出たということは、極真空手家として一つの勲章のように思っています。

※一部加筆修正しました。


 


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