40代からの空手道 極真空手の巻
 
 
 


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   小が大を倒すためには

20134月26日

極真空手は、大会ではウエイト制が一部取り入れられていますが、基本は無差別級です。
実際、日頃の道場稽古での組手では、体重別にはなっていません。

私自身は、中肉中背、日本人のごく標準的な体格ですが、身長で10p以上大きい、体重で10s以上重い相手との組手は、それなりにやりづらいものです。

格闘技においては、やはり体が大きい人のほうが有利なのは間違いありません。

では体の小さい人はどうすればいいのか?

大山総裁は著書の中で次のように語っています。

『小さい人間は、速さという点で優れているはずだ。それをどう生かすか、どうやってより速くするかは、その人の叡智だ』

私は過去に5つの極真会館支部に所属していますが、体が小さくても強い人を何人も見てきています。

その中で、身長160p未満で強い人を3人知っています。
後に総合格闘技に転身しそれなりの成績を残したAさん、緑健児師範のような組手をするBさん、根性の塊のようなCさん。

その3人を客観的に分析すると、以下の3つの点で共通点がありました。


1,スピード


3人共にとにかく動作、技が速い。
大山総裁の言葉通り、やはり体の小さい人の最大の武器は「速さ」だと思います。
尋常じゃない位スピードがありました。


2,スタミナ


いくらスピードがあってもスタミナがなければ、いずれ大きい相手につかまります。
ですが、この3人は無尽蔵ともいえるスタミナがあり、最後まで止まらない共通点がありました。


3,精神力


とにかくガッツがある。
小さい人は大きい人より精神的な強さが必要です。
大きい相手に対しても前に出るガッツ、正面から打ち合える精神力がありました。
小さい人は大きな相手に打ち負けて後ろに下がってしまうようなら、相手に追い詰められてしまいますので、精神力が重要な要素になります。


私が実際組手をしたことがある、身長160p未満の強い人は以上の3つの共通点がありました。

この3つを最高レベルに持ち合わせていたのが、極真第5回世界王者の緑健児師範でしょう。
緑師範は身長165pという小柄ながら、世界王者に輝きました。


4,パワー

また、私の友人で40代半ば、身長165p程度の黒帯の友人がいます。
仮にDさんとします。
この友人はスピードやスタミナより、パワーに重点を置きました。

自宅の1室をトレーニングルームにして、バーベルを使って長年ウエイトトレーニングをしています。
ベンチプレスで110sを上げます。
体はゴリラのような体型をしています。
身長は低いですが、ウエイトレーニングで鍛えたパワーを駆使して突きと下段で押していくスタイルです。

つまり、体が小さいからなにがなんでもスピードを上げなければいけないということではないわけです。そこに大山総裁が指摘する「叡智」があると思います。

徹底的にスピードを上げるのも一つの方法、Dさんのように徹底的にパワーをつけるのも一つの方法です。

もちろん、緑師範のように、パワーとスピードがあれば、チャンピオンにまでなれることができるわけです。


5,ディフェンス

極真空手の長い歴史の中で、「受けの名人」と呼ばれ、松井館長と互角の勝負を演じた身長157p、体重60sの堺貞夫という空手家がいます。

松井館長と互角の勝負をした第17回全日本大会後、大山総裁は堺氏のことを次のように語っています。

『この大会で特筆すべきは堺貞夫の活躍だ。
堺は武道の真髄である円の動きを巧みに使っていた。
また受けが一番うまかった。
防御すなわち攻撃だということが如実に現われていた。
彼の活躍は、体の小さい道場生にも希望の光をもたらした点でも素晴らしい』


体の小さい人が体の大きい人の攻撃を正面からまともにもらっていては勝ち抜くことはできません。ですから、ディフェンス力をつけるのは必須といえるでしょう。
そして、堺氏のように”名人”と呼ばれるまで昇華させることができれば、それが大きな武器になります。


小さい人が大きい人に勝つこと、それこそがある意味武術の極意にもつながるでしょうし、人間の叡智だと思います。

ですから、最初から諦めるのではなく、自分の体の特性をよくよく考えて、それを生かすようにすることが大切だと思います。

体が小さくても強い空手家は大勢います!


 


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