40代からの空手道 極真空手の巻
 
 
 


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   頂上を目指さない

2011103

皆さんは何を目指して空手を始めたのでしょうか?

数日前テレビを観ていてちょっと思うことがありました。
その番組は、TBSの「ガチ相撲トーナメント」です。
過去2回開催されていて、前回は元横綱の曙さんや、K-1絶対王者のセーム・シュルト選手も参戦。最終的には曙さんが王者になりました。

今回の第3回大会には、元幕内力士や、現在格闘技界最強の一人のアリスター・オーフレイム選手も参戦し、アリスター選手が優勝しました。

問題は、70歳を超えた合気道(?)の先生が出場していたことです。
この先生は、相手の体に触れずに投げ飛ばすというパフォーマンスをしている人ですが、この相撲トーナメントはどこまでもバラエティ番組の企画なので仕方がないことですが、溜息が出ました。

神秘性を売りにしている人は、リアルな世界と関わってはいけない。
何故なら「幻想」という唯一の武器を失うから。

「アリスター選手に軽く押されただけで土俵下まで吹っ飛ぶな・・・」
そう予想していたら、案の定、相手は総合の菊田選手でしたが、突き押し一発で土俵下まで吹っ飛んでしまいました。

これが現実です。

「武道に神秘性を持ちこまない方がいい」

それが私の持論です。
これ以上は批判になりますので割愛します。

武道の世界で頂上といえば「最強」もしくは「達人」」ということでしょうか。
中年から武道を始めるのであれば「最強」は現実味が薄いので、やっぱり「達人」ということになるでしょう。中には漫画に出てくるような老境の武道の達人に憧れている方もいるかもしれません。

私は「頂上=達人」を目指していません。
というよりも、達人にはなれないからです。
何故なら絶対量が足りないからです。

「天才とは量である」

美空ひばりさんは、生涯吹き込んだ歌の総数が約1,500曲でした。
これは、1年に40曲を40年間続けた結果です。

手塚治虫さんは、生涯描いた漫画の総ページが約10万ページでした。
手塚さんは小学生から62歳で亡くなるまで50年間描き続けたのですが、これは1日の休みもなく書き続けても1日6ページ描き続けたことになります。


イチロー選手は、小学生の頃から毎日数時間の練習を欠かさず、1年のうち364日バッティグセンターに通っていたという伝説まであります(残りの1日はバッティングセンターが正月休みだった)。バッティングセンターに通いつめるあまり普通の球速では満足できなくなり、バッティングセンター側がイチロー少年専用のスプリングを作ってその速い球速の球を打っていたそうです。

これが現実です。

ある研究機関の発表によると、トップアスリートやトップアーティストになるには、少なくとも「1万時間の練習時間が必要」という研究結果を発表しています。
さらにこの結果を受け、「インスピレーションや才能も重要だが、天才と凡才を分ける決定的要因は練習時間」との結論を出しました。

またある神経学者は、イギリスBBC関係の科学雑誌の取材に対し、「脳は物事を消化吸収するのに1万時間を要する。一つの技能を完全にものにするには1万時間の時間が必要」と語っています。

1万時間とは、「1日1時間×1年365日=約27年」です。
1日も休むことなく1日1時間続けて27年間かかるということです。

私は以前、合気道の藤平光一先生から指導を受けたことがあります。
藤平先生は正真正銘の本物の”達人”でした。
ですが、誰もがそう簡単に藤平先生のような”達人”になれるわけではありません。
30年以上修練しても、その域に達せない人がほとんどでしょう。

何かを極めようと思ったら、常人以上の努力や素養が必要です。
ですが私は、武道を生業にしているわけではありません。
武道以外にも、仕事やプライベートで考えることもやることも山のようにあります。
そのような人間は、その分野で達人になどなれません。

とかく人は楽して結果を求めがちです。
また、ありえない幻想・妄想を膨らませるものです。

いい例がダイエット。
「好きなものを好きなだけ食べて、1日5分運動するだけで痩せられる!」
こんな宣伝文句に簡単に騙されてしまい
ます。
ですがこんな都合のいいことで痩せられるわけないのです。

武道の世界も同じです。 
「相手の体に触れることなく吹っ飛ばす」
漫画に出てくるようなこういう類の”達人”を目指すのは・・・

私が極真空手を選んだのには幾つかの理由があります。
その1つが、強くなることの再現性が高いこと。
20年、30年という気が遠くなる時間をかけることなく、数年である程度の「強さ」を身につけることができるからです。

老人になってようやく達人になれる(かもしれない)道よりも、再現性が高くある程度即効性がある武術として、フルコン空手、極真空手を選びました。

私は決して武術、武道の達人にはなれないでしょう。
ですが、50歳になっても、60歳になっても、いざという時に抜ける刀、それも錆ついていたり、ましてや竹光などではなく、名刀ではないけれど一刀両断できる磨かれた真剣を持っていたいと思っています。

それが目指す処です。

極真空手を修行することで、それが実現することを確信しています。

そしてそのためには、理論武装することではなく、日々心身を練磨する以外にないのです。


 


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