40代からの空手道 極真空手の巻 40代からの空手道 〜極真空手の巻〜 キョクシンカラテ  
 
 白帯警報発令中!


2010220

フルコン空手未経験者、または初心者は、「白帯=弱い」と思っていることでしょう。
確かに90%以上はその通りです。
ですが、中には例外もあるのです。

その一つの例が、体が大きい人の場合です。
身長185cm、体重100kgの人が入門してきたとします。
もちろん白帯です。
こういう人はやっかいです。
ただ大きいだけなら問題ありませんが、過去に柔道を何年間もしていた、大学時代ラグビーをやっていたなど、鍛えている体の大きい人(パワーのある人)は要注意です。
体が大きいというのはそれだけで大変な武器です。

思い出されるのが、K-1のボブ・サップ。
サップがK-1デビューした時は衝撃でした。



あのフォー・タイムス・チャンピオンのアーネスト・ホーストをKOしたからです。
サップの打撃は素人同然です。ただ力任せにパンチを大振りに打ち込むだけ。
それでも”ミスター・パーフェクト”ホーストを、一度ならずも二度までも破壊してしまいました。
サップは打撃は素人でしたが、プロレスをやっていましたし、その前はアメフトの選手でした。

武道、スポーツで鍛えている体の大きい白帯と初めて組手をする際は、軽度白帯警報発令です。

つい2週間ほど前のこと、他の道場に出稽古に行きました。
スパーになり、白帯とやることになりました。
私は白帯相手の時は、自分からは攻撃しません。
もっぱら受け専門で、軽く返す程度です。

相手は30歳位の私より少し背が高い人でした。
いつものように、受けていこうと思ってスパーが始まりました。
すると猛然と突きのラッシュ、ガチンコです。
それも腰が入っていて、腕が伸びる。

開始10秒で分かりました。
『はは〜ん、なんちゃって白帯か』

緊急白帯警報発令です!

そうと分かれば、こちらもやらないといけません。
とりあえず様子を見ていると、体が硬いようで高い蹴りは出せないよう。
突きと下段のオーソドックス。
突きはかなり強烈なので、正中線だけガードして、下段は全てカット。
後半相手が攻め疲れてきたので、前蹴りと中段で軽く吹っ飛ばして終わりました。

稽古が全て終わり着替えているときに、その白帯さんに声をかけました。
左近 『以前やってたでしょ?』
すると、「バレたか!」というような感じで苦笑いして、
白帯さん 『押忍!学生時代(大学)3年間、(極真)やっていました』
左近 『やっぱりね。突きが凄く強いですね。びっくりしましたよ』
白帯さん 『とんでもありません。ブランクが長くてスタミナが全然なくて・・・』

このように、以前数年間やっていて、その後ブランクがあって再入門したような人、
これが「なんちゃって白帯 Aパターン」です。
結構強い人がいます。
ただブランクが長いとスタミナはかなり問題あります。

勘も鈍っています。

一番の難敵が、「なんちゃって白帯 Bパターン」です。
これは何らかの事情で昇級審査を一度も受けていない白帯です。
稽古はずっと続けていますのでAパターンと違い、スタミナは万全、もちろん勘も鈍っていません。
私が知っている最高記録は、10年間やっていてまだ白帯という猛者がいます。
この人は、飲食店の店長で、日曜日が仕事で稼ぎ時のため、日曜日に行われる昇級審査を一度も受けておらず、10年もやっているのに白帯なのです。
実力はもちろん黒帯クラス。
道場でたまに指導もするそうです。
白帯が指導する道場・・・。
ちょっと微妙ですが。

組手で相手が白帯だと、どうしても心に隙ができます。
「楽勝だな」と。
それが蓋を開けてみると、なんちゃって白帯だったりすると、途中から気持ちを引き締めなければならなくなります。
こういう隙は危険です。
試合だとOUTでしょう。

初級者クラス(白帯〜青帯)の大会・試合で、自分が青帯で相手が白帯の場合、上記のようなケースで油断するとあっという間に負けてしまうことになるので、知らない相手の場合、帯の色を信じないことが大切ですね。

「白帯=弱い」という先入観は捨てましょう。

今日もどこかで、白帯警報発令中!



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